気分はいつでもアウトドア

インドア派サラリーマン妄想記

『根本的な問題は心の贅肉だ』っという休日

今日は飛び石連休の最終日、どこへ行こうかと思案していたのだけど、結局、寝坊してしまった。今月は遊びにずいぶんお金を使ってしまったので、高速道路を使って遊びに行くことも難しい。こんな時は、ご近所の山に行って低山ハイクだな。早速、準備を整えて、根本山に向かう。根本山はバイクで1時間程度のご近所にある山なので、費用はちょっぴりガソリン代がかかるだけ。こんな時には打ってつけなのだ。

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途中のコンビニで昼飯を調達して、何やかやあって10:00に到着。今日のコースタイムは全部で5時間半ほど、昼飯を食べたり休憩したら6時間コースだ。10時出発なんて、何かあったら確実に帰れなくなる。登山客など月に数人しかいないので、誰の助けも借りられない。おまけに携帯電話も圏外だ。我ながら山を舐め過ぎだね。

案内看板前の広場にバイクを停めて、そそくさと準備を始める。こんなところに人が来るはずもないので、バイクをデポしてもおいても安心だ。プロテクター入りのバイクウェアでは歩けないので、暑くない程度の山ウェアに着替える。昼飯、合羽、防寒着をザックに詰め込み、トレッキングステッキを括り付ける。今日は沢歩きからスタートなのですぐには必要ないけど、復路の下りではステッキが必要だ。

っと、誰も来ないはずと思っていたのに、軽ワンボックスがやってきたじゃないのさ!! 珍しいこともあるものだ。その軽ワンボックスは不死熊橋を渡った先のゲート前に止まって何やら思案中の様子。じぃっと見ていると、僕のバイクのすぐ横に車を停めて準備を始めた。パッと見は怖そうなお兄さんだけど、とりあえず話しかけてみると、「山の恵みを採りに来た」そうな。どうやら山菜orキノコ採りの人らしい。装備を見ていて不安に思ったので、恐る恐る、「根本沢コースとか行かないですよね?」っと聞いてみる。お兄さんは「何で?」っという感じだったけど、中尾根コースを行くそうなので、それ以上は突っ込まないことにした。僕は10年前にも何度か歩いていたので、根本沢コースの楽しい沢歩きの後、恐ろしいイベントが待っているのを知っている。普通の人には根本沢コースは勧められないのだ。

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これが不死熊橋(「ふじくまはし」と読むらしい。ずっと「ふしくまばし」だと思ってた)、ここから根本山に至る3つのコースがある。向かって右から、(名称不明な)林道コース、中尾根コース、根本沢コースだ。この順番に難易度が上がる。これを読んでいる人は、軽い気持ちで根本沢コースには行かない方がいいと思う。特に復路に根本沢コースを選ぶなんて自殺行為だ。

今日のコースは、不死熊橋~根本沢コース~奥の院~中尾十字路~根本山神社~中尾十字路~中尾根コース~不死熊橋っと決めていた。不死熊橋の左上方に倒木が見えるだろうか? これが根本沢コースの入り口だ。スタート時点ですでに敷居が高い(^^A

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 根本沢コースは、スタート~中盤まで沢の右岸をゆったりと上り、中盤から左岸に渡って九十九折を上り、終盤は沢の中を直登する。ハンディGPSと地形図で自分の位置を確認しながら進むのがお勧めだ。一応、赤テープの誘導や先達の(微妙な)足跡もあるので、それほど迷い安いとは言わない。けど、うっかり見落とすと全く進めない場所に出てしまったりする。

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例えば、こんな場所だ。左岸側に巨大な岩がそそり立ち、沢は倒木で埋め尽くされている。迷い込んだ直後、周りを注意深く観察しても全く進路がないことに気づき、しばし呆然としてしまった。こんな時は崖の上を見るといい。往々にして、巨岩をまく道があったりする。それにしても、、、10年前はこんなにガレてなかったような気がするけどなぁ。

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この巨岩をまく道を進むと、やがて道は沢を渡り、右岸に移る。ここからが中盤セクションだ。右岸の九十九折をひたすら登ったり、降りたり、沢を渡ったり。こんな時はトレッキングステッキの出番だ。これがあるだけでかなり楽に昇り降りできるようになる。しばらく歩いていたけど、つまらなかったのか、写真がほとんど残っていない(^^A とにかく、右岸をガンガン進んでいると、やがて再び沢にぶち当たる。右の写真の橋、もう橋の役目を果たしてないね。

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先ほどの朽ちた橋を何とかクリアしてちょっと進んだところで、すごく座りやすそうな岩を見つけた。この辺りで12時近くになったので、昼飯にすることにして、買ってきた昼食を広げた。やっぱりこういうときはおにぎりでしょう! 今日はゆで卵とソーセージ、チーズまで付いている豪華版だ。今日は時間的な余裕がないので急いで昼飯を腹に納めて一服する。こういう至福の時間を過ごすために人は山に登るのだと思う♪ もうちょっと休んでいた気もしたけど、気を引き締めて終盤セクションに向かう。

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この錆びついた重厚な梯子が見えたら本気で気を引き締めなければならない。本当の根本沢コースはここから始まると言っていい。終盤の沢登のキツさと比べれば、スタート~終盤手前までは(物凄くガレているけど)遊園地のように快適な散歩道に過ぎない。何度も言うけど、ここがから本当の根本沢コースだ。

。。。どうでもいいけど、この梯子は鋳鉄製なんじゃなかろうか? 少なくとも中空ではない。こんな重量物、どうやってここまで運んだのか、想像もつかないな。

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写真を見て欲しい、看板には「根本山周回ハイキングコース」と書かれている。こういう看板を見つける度に疑問に思う。何がハイキングコースだ!! せめて登山コースって書けよ!!

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もう本当に危険楽しい!! トラロープや赤テープがなければこんなところが正規ルートだなんてとても思えない。ここからはトレッキングステッキなんて邪魔なだけだ。とにかく、両手、膝、お尻を使って、僅かな足場に全体重がかからないように慎重に体重移動を繰り返す。丈夫な木の根や岩にしがみつき、大岩や倒木を越え、沢の中を歩き、先を目指すだけだ。

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ここは元々、修験道の人達が通った道だそうで、道中、石柱やら階段の跡やら色々な遺物が見られる。思うに、修験道の人達ってよっぽどひねくれていたか、意地悪なんじゃなかろうか? 大峯奥駈道を踏破したときも思ったけど、修験道が絡んだ道はとにかく苛めのようなコース取りだ。本気で気が滅入ってくる楽しくなる♪

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そして極め付けがこの鎖場!! こんな鎖が10本近く続いている。正確には分からないけど、感覚的には50m以上こんな岩場をよじ登っているような気がする。ここは下を見てはダメだ。とにかく、掴める物は何でも掴んで、身体を岩に押し付け、足先に集中する。ミスったら、、、なんて考えない。「僕はこんな辺鄙な佐野市の山奥で死ぬ予定だったか?」っと自らに問いかけ、「そんな予定はない。。。なら大丈夫!!」っと気持ちを奮い立たせる。もう心臓バクバクハートどきどきっ!! テンションあがるぜぇ~、コンチクショウ!!

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こんな苦しい楽しい鎖場の途中に「根本山神社 奥の院」がある。10年前に来たときもすでに風化していたけど、まだしっかりと残っていた。とはいえ、もう人が上がれるような状況じゃないな。中は恐ろしくて覗きこめなかった。

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鐘楼に至っては、、、脚が恐ろしいバランスで立っている。本当にこれで大丈夫なのか?

奥の院を後にして、峯の平を過ぎたところで、前方に人影が見えた。ああっ、不死熊橋であった山の恵みのお兄さんではないか!! 聞けば、キノコを探しながら中尾根コースをずっと上ってきたそうな。残念ながら、収穫はないという。って、もしかしてこのお兄さん、根本沢コースに向かっている!? あっ、危ない! 死ぬ! ほんっと死んじゃうよ! 登りはともかく、足元の見えない降りの鎖場は危険過ぎる!!

道中で見つけたキノコの写真(主要な物は全て撮影しておいた)を見せて、食用のキノコはなさそうだし、とにかく危ないからお勧めしないよっとお兄さんに言ってみる。お願いだから、降りの根本沢コースだけは断念して欲しい!!

僕の目がマジだったせいか、お兄さんは思いのほかアッサリと断念してくれた。いや良かった。時間的な猶予を考えても根本沢コースはないんじゃないかな? 今から頑張って根本沢コースを降りられたとしても、途中で暗くなってしまうだろう。今から降りるなら、尾根沿いに一直線に降りる中尾根コースが唯一の選択肢だと思う。

それからしばらくはお兄さんと一緒に歩き、中尾十字路から中尾根コースへ降った。道すがらお兄さんからキノコについて色々と教えて貰ったけど、僕が見つけたほぼ全てのキノコは毒キノコだそうな。まぁね、もう姿からして怪しかったし。。。食べるなんて到底考えられないからOKだよ(ToT)

中尾根コースの話は、、、ここでは止めよう。杉が生い茂る、眺望のない、陰気な尾根道をただひたすら降りるだけだ。つまらん。僕は途中でタバコ休憩して、お兄さんは先に行き、途中でまた僕が追い越して、結局、15:40頃に不死熊橋に戻ってきた。根本山神社をスキップしたので、予定より1時間ほど早い下山だ。

しっかし、今日はのほほんとした散歩のつもりだったけど、思いのほか本格的な山歩きになってしまった。あんなにガレてなければ、(鎖場以外は)もっと楽々ハイキングのはずだったんだけどなぁ。まぁ、楽しかったからいいんだけどね。こんなに楽しい山がご近所にあるというのに、10年近く登る気にならなかったのは、「贅沢」とか「快適」とかいう贅肉が僕の心に付いていたからだろう。もっとガンガンお外で遊んで、いつかインドア派サラリーマンを卒業しないとなっ!!